今日のこと。

ほとんど今日のことではありません。

ストーカーにはならないで

10月13日(土)から『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』という茶道をテーマにした映画が公開されている。  

この本は、茶道をしたことがない人、ちょっとしている人、長く続けている人が読むと、それぞれ感じることが違うはずだ。

 

私が通う茶道教室の先生は、本を読んで「懐かしいわ」と言っていた。

 

私は茶道を始めて5年弱。「ちょっとしている人」に分類されると思う。

本の内容は、共感が2割、新発見が1割、残りはまだ理解できないなという感じ。これから長い時間をかけて、共感していくのだと思う。

 

 

例えば、「無言の教え」について書かれたページ。

これは激しく共感した。

 

先生たちは、全てを教えてはくれない。

「右や左を間違えずにお点前をすることだけが重要ではない」と言うけれど、じゃあ何が重要なのか。その答えは教えてくれないのだ。

 

根気強く黙っている。自分で感じなさいと言うように。

 

私はお茶を始めてからずっと、なんで教えてくれないんだろうと思っていた。

むずかしいことでも、理解できるよう努めるのにと。

 

 

その答えが分かったのは、不審庵の短期講習会に参加したとき。

先生が『説似一物即不中(せつじいちもつそくふちゅう)』という言葉を教えてくださった。

 

これは、自分の中で理解していることや分かっていること。それを人に言葉で説明しようとすると、説明した時点で本来理解していることとは意味が異なってしまう、という意味。つまり、本当の理解は自ら体験することでしか得られないのだ。

  

先生が、この禅語と同じ想いで無言を貫いているのかは分からないが、寛大だなと思う。

 

 

茶道はとても寛大だ。

原作の著者である森下典子さんは、「茶道は自由だ」と書いている。 

  

決まりごと、作法、ルールが多いという印象があったが、その先に自由があることを最近ようやく分かり始めた。だから、ますます楽しい。

 

 

先日遊行寺で開催されたお茶会もとても楽しかった。

 

初めて水屋(裏方)を手伝った。

この日担当したお席は、30名が入る部屋。

 

お客様の人数を確認し、お菓子を出し、お茶をたて、お茶を出し……を10回くらい繰り返す。

水屋は戦場だ。

 

 

 

1席目が終わり、次のお客さん。2席目が終わり、次のお客さん……

 

 回を重ねるごとに、水屋メンバーの団結力は高まった。一緒に担当した方は皆年上で、優しいお姉さんという感じ。なかには、薬剤師としてバリバリ働きながら子育てをし、その合間を縫ってお稽古に通っている人もいた。

 

「慌ただしい毎日だけど、お茶のときだけは仕事のことを忘れられるのよ」

 

 

 

3席目のお客さんが揃う。

 

「患者さん何人?」と、薬剤師さん。

仕事のこと、全然忘れられてない……お客さんを患者さんと言っちゃうのは、職業病かな?

とてもチャーミング薬剤師さんだった。

 

お別れの挨拶は「お大事に」。いたわってもらえるって、嬉しいなー。

 

この気持ちだってここに書いた時点で意味が異なってしまうから、ぜひ彼女に会って「お大事に」と直接言われてみてほしい。

 

 

多分、藤沢のどこかの病院に行けば会えます。