ふと思い出したことがある。高校の友達から預かった荷物のことだ。
それは大学生の時に預かったもので、小さなダンボールが1箱。中身は彼女が当時付き合っていた彼の荷物と二人の思い出の品だ。
彼女は遠距離恋愛をしていた彼と別れ、部屋に置き去りにされた荷物や思い出を捨てきれずにいた。「じゃあ私が預かるよ」と言ったのだけど、結局私は自分の家には持って帰らず、これまた当時付き合っていた彼の家に預けたのだ。(元彼が友人の元彼の荷物を預かるという、超迷惑な構図)
その後私も彼と別れたのだが、あの荷物は一体どうなったんだろう。
知らないカップルの思い出を預けるなんて、私もどうかしていたかしら。
なぜこんなことを思い出したかというと、Netflixのせいだ。
先日観た『バッド・ジーニアス』に続き、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン主演のタイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』を観た。
以下、ちょろっとネタバレしますよ。
主人公ジーンは、4年間のスウェーデン留学からタイへ帰国。ミニマリストのデザイナーとしてタイで仕事を始めるにあたり、まずはオフィスが必要だった。
そこで実家を改装してオフィス兼住居にしようとするのだが、母と兄が暮らす実家は「ミニマリスト」の理想とは程遠く、モノに溢れている。そこで兄に協力を求め、断捨離を決行。
しかし、次第に処分しようとしたモノに込められた思い出や価値に気づく。
はじめは全てを処分しようとしていたが、借りたものは元の持ち主に返し、不要なものは必要としている人に譲るように。
モノを手放すたびに、友人に感謝され、家を出た父を待つ母との間に確執が生まれ、かつての恋人と再会する……という話。
私がこれまで見たタイドラマやタイ映画は、基本的にぶっ飛んだストーリーばかりだったので、「こんな映画もあったんだー」というのが最初の感想。
誰も瞬間移動しないし、誰もタイムトリップしないし、誰もコブラを部屋に放たない。
現実の世界を描いている、それだけで意外性・星5つだった。(甘すぎる評価)
印象に残っているのは、ジーンが元彼に会いに行って2人で話すシーン。
ジーンは留学中彼に一度も連絡をよこさず、それが原因で破局したという経緯がある。実家に置いてあった彼の荷物を返すために彼に会いに行き、そこで直接謝るのだが、その時の彼のセリフがこちら。
君に謝られた時、腹がたった。
謝ったことで、君は解放されただろう。
僕は許すしかなかった。
許さないと次は僕が問題を抱えるはめになる。
つまり、君は罪悪感を全て僕に押し付けて逃げたのさ。
罪悪感とともに生きろ。
逃げちゃダメだ。
そしてこう言います。
人は見たいものしか見ず、選んだもの以外は忘れる。
前に進んでくれ。
タイムスリップするタイドラマばかり見ていたので、こんなセリフが出てくるなんて感動。そうなんだよね。だから私浮気した人が謝るの大嫌いなんですよね。謝った時点で、謝られた方が許すか別れるかの決断を迫られ、許したとしてもその後も思い出しては苛まれ、でも許したのは自分という思いに苦しめられる。だから、女性も男性も浮気してバレないなら墓場まで持っていくべきだと思う。(最後謎に熱くなった)
ちなみに昨日知ったのだけど、私が好きなタイの女優さんが出てましたー!
Sarika Sathsilpsupaさんです。YouTubeもインスタもTwitterもやってます。
50 Facts about me | (cc ENG) Fah Sarika
『ハッピー・オールド・イヤー』は2019年の12月に公開された作品です。お時間ある方はぜひ。
OAFF2020『ハッピー・オールド・イヤー / Happy Old Year』予告編 Trailer