今日のこと。

ほとんど今日のことではありません。

老人性イボって知っていますか?

昔、インスタグラマーの方が「今日、クリニックで老人性イボを取ってきました!」と言っていて、老人性イボってなんだろう? と気になった。調べてみたら、年をとると首まわりにできる、シミのような小さなイボのことらしい。私の首にも2つ、3つあったので、これはクリニックに行って取ることもできるのだと初めて知った。

 

とはいえ、特に不便なこともないし、美容に熱心なわけでもないので、当たり前のように放置していたわけだが、先日、思いがけずその老人性イボというやつを取ることになったのです。取るというか、正しくは、「取られた」なんだけど。

 

それは、私がこのブログでも何度もオススメしているのにまわりに誰も行った人がいないという、超ローカルな台湾式産毛取り屋さんでのこと。バンコクの中華街の駅近く、路上に椅子が並べてあるだけのその店で、私はいつものように顔の産毛を取ってもらっていた。

 

説明すると、この台湾式産毛取りというのは、長い1本の糸をX字にクロスさせながら、そのXの部分で産毛を絡め取っていくもので、とても説明するのが難しいので、気になる方は親切な方が写真付きで書いたこちらのブログをご覧ください。

 

trip-s.world

 

終わった後は、とにかくツルツルで気持ちが良い。ついでに翡翠を使ったフェイシャルマッサージまでしてもらい、全部で600バーツ(2,400円)くらいだっただろうか。300バーツだったかもしれない。とにかくお値段も良心的なのです。

 

それで、いつものように肩をトントン! と激しく叩かれたのを合図に全ての施術が終了し、両手を合わせて「コップンカー」と立ちあがろうとしたとき、担当してくれていたおばちゃんが私の首を指さして「これも取っちゃう?」と言い出した。

 

「え、『これ』ってなに?」と聞き返す私の顔が、あまりに不安そうに見えたのだろう。おばちゃんは大事な大事な仕事道具がつまったカバンから手鏡を取り出し、「このことだよ」と、例の老人性イボを指差した。

 

「ここで取れるの?」と聞くと、頷くおばちゃん。

「糸で取るの?」という質問にも、頷くおばちゃん。

「取ったほうが良い?」と聞くと、おばちゃんは大きく頷き、「マイディー(Not good)」と言った。

 

マイディーなら取った方が良いのだろう。

「痛い?」と聞くと、「ニックノーイ(ちょっと)」と言う。

 

ニックノーイなら良いかと思い、「じゃあお願いします」と言うと、これまた大事な仕事道具がつまったカバンからおもむろに糸を取り出し、今度はいつもよりも長めにグルグルやり出した。

すぐに終わるというので目を逸らしておこうと思ったら、手鏡をグッと押しつけられ「それで見ていなさい」と言う。

 

特に見ておきたくも、見ておく必要もないのだが、手鏡を渡されたので仕方なく見ていると、おばちゃんはイボに狙いを定め、腰を落として勢いよく取ってくれた。

痛さは全然ニックノーイではなかったが、なんせ一瞬のことなので問題ない。あっという間に2つの目立ったイボが取られ、おばちゃんはそのイボを私の掌にのせた。これは本当に不要なサービスだと思いながら、私は驚いたような、怖いものを見るような、なんとも言えない顔をしてみせた。

 

再び手鏡で首元を見ると、じんわりと血が滲んでいる。おばちゃんは、これまたそそくさと大事な仕事道具がつまったカバンからベビーパウダーを取り出し、それで私の首をはたいて真っ白くした。

果たしてベビーパウダーで血が止まるのだろうかと謎だったが、私は黙ってされるがまままに白くなり、追加料金を請求されることもなく、600バーツ(もしくは300バーツ)を支払って地下鉄で帰宅した。

 

家に帰って調べると、「老人性イボは炭酸ガスレーザーで除去するのがおすすめ」などと書いてある。インスタグラマーさんはこういうクリニックでレーザーを当てたのだろうか。きっと高額だろう。高くなくても、産毛取りとマッサージのついでに無料で!とはいかないはずだ。

 

今日、久しぶりに首元を見たら、老人性イボは跡形もなく消えていた。

おばちゃん、なかなかの腕前である。

 

帰りに中華街で食べたブアローイ