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おすすめPodcast「真夜中の読書会 〜おしゃべりな図書室〜」

前にもブログで紹介しましたけれども、俵万智の『101個目のレモン』という本がとっても良かった。なぜこのタイトルなのかというのも、文中にサラッと出てきておしゃれ。

 

さて、先日のこと。

好きで毎週聴いている「おしゃべりな図書室〜真夜中の読書会〜」というPodcastで、「海外留学するときに、たった1冊連れていくとしたらどんな視点で本を選ぶか?」というお便りが届いていた。私だったら何を持っていくだろうとずっと考えていたのだが、この『101個目のレモン』を読み終えたとき、「これだ」と決まった。

 

このエッセイ集では、「演劇」というテーマひとつとっても、観劇した感想だったり、学生時代の演劇部の思い出だったり、好きな俳優のことだったり、その内容は多岐にわたる。

 

万智さんは、暮らしのなかの些細なことに光を当て、思考を深め、好奇心を忘れず、物事に自分なりの解釈をもっていらっしゃるなと思う。これは、海外生活で大事なことだと思うのです。

 

タイに住んでいると、なんでもあるのでなんでもできるように思うけど、気づけば同じルーティンを繰り返すだけの日々。

 

息子を公園に連れて行き、持ってきたおにぎりを食べ、昼寝させ、ご飯をつくり、風呂に入れる。小さい子どもを育てるというのは、同じことを繰り返すことなのかもしれない。

 

一見つまらないように思えるけれど、1日1日の積み重ねが「暮らし」になっているなと思うのです。

 

こうして息子とカメや猫を追いかけまわし、雨に打たれ、滑り台をすべり、ベビーカーを押す日々は、なんて幸せなのだろう。この『101個目のレモン』は、そんな幸せをじんわりと気づかせてくれるような本だった。

 

私が学生時代に好きだった『赤毛のアン』に、次のような一節がある。

結局、一番幸福な日というのは、素晴らしいことや胸の湧き立つような出来事が起こる日ではなくて、真珠が一粒ずつ、そっと糸からすべり落ちるように単純な、小さな喜びを次々に持ってくる一日一日のことだと思うわ。

 

万智さんの本は、ページをめくるたびに真珠が一粒一粒見つかるような、そんな本で、改めて今送っている日常を大切に生きようと思ったのです。

 

ちなみに、真夜中の読書会で、パーソナリティのバタやんさんは、質問の回答として、二階堂奥歯さんの『八本脚の蝶』を紹介していた。その理由が、これまたとても素敵だった。

 

最近1番更新が楽しみなおすすめのPodcastなので、ぜひ聴いてみてください!

 

▼おしゃべりな図書室 〜真夜中の読書会〜

真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜: 新しい環境へ、心の支えになる本を1冊選ぶとしたら? on Apple Podcasts

 

 

 

カフェで読書が至福の時間