デザイナーって、すごい。
一緒に働いているデザイナーの千葉さんにデザインをお願いした名刺が完成した。それがこちら。ジャジャーーン。(メールアドレスとかは裏に書いてます)
どういうイメージが良い?って聞かれて、「イメージはないんです……でも、茶道をしていることか、長崎出身っていうことのどちらかを伝えたい」みたいに言ったはず。
どちらかを伝えたい、って言った。ここは、絶対そう言った。
でも、ご覧ください。(再びジャジャーーン)
ステンドグラスの感じが、長崎っぽい。教会のイメージ! さらに、そのステンドグラスで、なんとお茶碗と湯気がデザインされている!「どちらか入れたい」と言っていた希望が、2つとも入ってる。
めちゃめちゃ可愛い。かわいいから、電車待ってるときに、おもむろにバッグから取り出して眺めちゃう。表ー裏ー表ー裏で見ちゃう。早く配りたい。ばらまくように、配りたい。
デザイナーって、すごい。
デザインするって、素晴らしい仕事だと思った。
何でもそう。ポスターとか、商品のパッケージとか、ウェブサイトとか、何でも。ものすごく緻密に作られているな〜と、この会社に入って初めて知った。
デザイナーは、イラストレーターというソフトを使う。WordやPowerPointでデザインはしない。私も入社した日からMacを使っている。今でこそMacにOfficeをインストールしてもらったが、最初はWordやExcelが入っていなかった。
デザイナーは、資料をイラストレーターで作る。私は藤沢駅の有隣堂に行って、「初心者のためのIllustrator」という本を買わなければいけなかった。それでも分からないときは、千葉さんに聞いた。
「矢印を挿入したいんですけど、挿入ボタンどこにありますか?」と。
そしたら、千葉さんは困惑した表情で一言。
「矢印、作るよ」
そうして、長方形と三角形を組み合わせて、三角形の一片をぐにゃっと曲げて、すぐに思い通りの矢印を作って見せてくれた。
矢印は、挿入するものではない。作るもの。
そのとき私は、千葉さんが見せた困惑の表情の300倍くらい困惑したかったけど、あたかも「ああ、そっち系ですね」と言わんばかりに、平然を装った。
その日から、私は一緒に働くデザイナーたち全員を「そっち系の人」として見ている。
そして、Illustratorに慣れてきた私が久しぶりにExcelを使うと、セルの中に散らばる「t」。
私も少しずつ、そっち系の人になっているのかもしれない。
(なりたいけれどなりきれていない、というのが実際のところだ)
※Illustratorでは、「文字を入力する」のショートカットキーが「t」なんです。