私には妹が2人いる。2人は年子で、双子のように育った。
私が黄色が好きだと言えば、2人とも黄色が好きになったし、私がモーニング娘。が好きだと言えば、2人ともモー娘。が好きになった。
後に、私が大学を休学したので、妹2人も休学することになり、両親がやれやれ状態に。三女が今年、やっと大学を卒業します。これで一応、全員社会人。一応。
次女は、私と4つ離れている。三女は、ちょうど5つ。「ちょうど」と言ったのは、誕生日が同じだからだ。一緒に歳をとる。2月4日になると、お互いに「おめでとう」と言い合う。双子もきっと、こんな感じなんだろう。
私が小学6年生のとき、次女は2年生、三女は1年生だったので、この1年間だけは3人一緒に登校した。4時間授業の日は午前中で学校が終わるというのに、妹は6時間授業の私をずっと廊下で待っていた。かわいい妹だ。
かわいい妹たちは、私のことが好きだった。だから、私が友達と一緒に遊びに行くのをひどく嫌った。
そういうときは、「今からオオカミさんを退治しに行くから!」と言うと、「頑張ってね」と快く送り出してくれる。やはり、かわいい妹だった。
私が中学生になり、新しい友達ができる頃、妹たちはもうオオカミなんて怖くない年頃になっていた。そして、私と同じように口が達者になっていた。
友達が「遊ぼう」と私を迎えにきたとき、ちょうど妹たちはリビングでテレビを見ていた。2人とも、ズボンを履かずに……
私が出かけることを妹たちが嫌うとわかっていたので、抜き足差し足忍び足で玄関までたどり着いたのだが、思いのほか友達の声が大きい。簡単にバレてしまった。
友達が迎えに来たと分かるや否や、リビングから駆け出てくる妹たち(ズボンを履いていない)。そして、私の腕を掴む。さらに、友達に「姉ちゃんと遊んだらダメ!」と叫ぶ。
新しくできた友達を迎えに行き、パンツ姿の小学生2人組に追い返されるなんて、友達はそんな中学生活を想像していただろうか。いや、そんなはずはない。
だから私は、「走って!」と状況を理解できていない友達の腕をとって、勢いよく外に出た。外に出たらこっちのもの。だって、妹たちはズボンを履いていない……と思ったら、パンツ姿で追いかけてきた。
「姉ちゃんを返してーー」
「姉ちゃんとの時間を返してーー」
「この時間は戻らんとよーー」
口が、達者すぎる。まさか、小学生にして機会費用を訴えかけるとは!
あの時、泣きながら(ズボンも履かずに)私と遊びたいと言った妹。
その妹は、今でも私を求めている(怖)。