NHKの番組で、「肌のハリや血色の良さは、赤血球の色が決め手!」という特集をやっていた。赤血球の色が濃い人(ヘモグロビン濃度が高い人)ほど、血色が良く見えるらしい。
ヘモグロビン濃度を高めるためには、鉄分を摂取しなくてはならない。しかし、日々の食事を気がけようにも、ビタミンも摂らないといけないし、カルシウムだって必要だ。鉄分のことばかり考えてはいられない。
そこで、番組では手軽に鉄分を摂取できる方法として、「南部鉄器」を紹介。これを使ってお湯を沸かせば、鉄分が溶け出てくるらしい。すごい。
メディアに操作されまくりの私たち夫婦は、早速、南部鉄器を検索。なんとびっくり。驚きの10,000円越え。職人さんが作っているのだから、当たり前かな。いや〜高い。
そんな私たちを見越してか、番組はさらに奥の手を用意していた。「鉄玉子」だ。
ちょうど卵の大きさ、形をした鉄の塊。お湯を沸かすときや味噌汁をつくるとき、この鉄玉子を鍋の中にポンと入れておけばいいらしい。しかもお値段、1,000円ちょっと。メディアに手のひらで転がされている私たちは、即購入。2日後、ポストに届いた。
私は顔色がとにかく悪い。色が白いというより、青白い。「色の白いは七難隠す」というが、「青白い」は悩みを増長させる。血色を良くしたいというのは、学生の頃からの願いだ。
高校生のとき、目の下のクマを見た化学の先生から「化粧を落としなさい」と注意されたことがある。私は「先生に怒られるのは嫌だ」というタイプ。化粧なんてしていない。100歩譲ってしていたとしても、目の下に濃いシャドーを入れるなんて、そんなパンクなメイクはしない。
グッと顔を近づけ、「ちゃんと寝なさい」と言われた。
前髪だって、いつも眉毛の上で切っていたのに、なぜか容儀検査でひっかかる。
またしても容儀検査にひっかかったとき、担任が私を教壇に呼んだ。叱られるのかと思ったら、「『人は見た目が9割』というのは、野中には適用されないぞ」と励ましてくれたのを思い出す。
当時はウンウンと頷いていたが、改めてここに書いてみると、ちょっと言っている意味が分からない。
謎の適用除外認定を受けたわけだが、そうもいかないだろう。
しばらくは、鉄玉子に頼ってみようと思う。