私はインド映画と相性がいいようで、ぶっ飛んだ設定とか、どえらい美人な女優さんとか、急に踊り出す感じがたまらなく好きだ。しかも、なぜか泣けるというのがインド映画の不思議なところ。
今回観た『パッドマン』という映画は、愛する妻と世界中の女性を救うために安価な生理用品の製造を実現した男性の話。アルナーチャラム・ムルガナンダムという実在の人物をモデルにした作品だ。
映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』予告(12月7日公開)
映画『パッドマン』のあらすじ
主人公のラクシュミは、インドの小さい村で修理工場を経営しながら妻と幸せな生活を送っている。ある日ラクシュミの妻が生理になり、急に部屋の外へ出て行ってしまった。インドでは生理は不浄なものとされており、家の中で眠ることや家族と食卓を囲むことさえ許されていないのだ。おまけにナプキンは高価なので、代わりに雑巾のように汚い布や葉っぱを使っており、毎月何人もの人たちが病気になっていた。
ラクシュミは愛する妻を病気から守るため、薬局で生理用品を購入してプレゼントするのだが、1袋55ルピーという値段を見た妻は「宝石を買うようなものよ」と言い受け取らない。(55ルピーは今の価値でいうと1,100円くらいらしい*1 )そこでラクシュミは購入したナプキンを分析し、綿や布を調達して安価なナプキンを自作することにした。
生理の話をするのはタブーであり、生理自体が不浄なものと見なされるインドでは、試作しても実際に試してもらうのが大変だった。そのためいろんな女性に声をかけ、その度街中の人に変人扱いを受けた。さらに借金は膨れ、ついには街を追い出されるラクシュミ。
副題になっているように、最終的にラクシュミは安価なナプキンの製造に成功するのだが、つくるまでの苦労や試行錯誤、成功まで導いてくれた数々の出会いは必見。
単にナプキン製造機械を作っただけでなく、女性が抱えていた多くの問題も同時に解決し、女性に真の自由を与えた。
映画の後半、ラクシュミはニューヨークで演説をするんだけど泣きました。
かつて女性は生理になったら学校へ行けなくなり、満足に勉強することもできなかった。1ヶ月のうちの5日間はどこにも行けず、(5日間×12ヶ月=60日=)年間約2ヶ月の自由を失っていたのだ。
「強い母と強い女子が強い国をつくる」というセリフは感動しました。令和の当たり前って、本当にいろんな人の苦労と努力でつくりあげられたんだな〜。
さて、次は思いきり踊り狂うインド映画を観ようかな。