藤沢駅から小田急江ノ島線に乗り、ちょうど4分で「鵠沼海岸駅」に着く。終点・片瀬江ノ島駅のひとつ手前だ。2019年の夏まで、私はこの鵠沼海岸で働いていた。
鵠沼海岸は「サーファーの聖地」と言われているらしい。この地で初めて自転車にサーフボードを付け、半裸で海に向かう人を見たときの驚きは大きかった。
そんな鵠沼海岸にはおもしろい店がたくさんある。
なかでも、駅から徒歩5分のところにある「シネコヤ」は、イチオシスポットだ。
今は藤沢を離れてしまったので通うことはできないけど、どうしてもシネコヤの良さを伝えたくなったので、勝手に紹介します。勝手に。
映画館とも家とも違う、居心地のいい場所
シネコヤは、2階建てです。前は写真館だったらしい。ドアや窓の感じに写真館の面影が残っている。
1階はカフェと貸本屋になっていて、カフェだけの利用や貸本屋だけの利用も可能。壁一面が本棚になっており、『キネマ旬報』1,200冊が、1970年代から2015年まで欠番なしで揃っているというのでびっくり。
2階にあがるとこれまた壁一面本棚の部屋があり、ここで毎日映画が上映されている。
ダイニングにあるような椅子や応接室にあるような椅子、ふかふかのソファーなど、いろいろな種類の椅子が並べられたその部屋は、映画館と家のちょうど真ん中みたいな感じ。
私は1番後ろのソファー席がお気に入りで、1階のカフェで買ったアイスティーをがぶ飲みしながら映画を観るのが最高!
インド映画『パジュランギおじさんと、小さな迷子』を観たときは、みんなで笑って、みんなで泣いた。知らない人たちだけど、シネコヤで観るときは遠慮せずに泣いたり笑ったりできる気がする。
きっと、シネコヤの居心地の良さのおかげだと思う。
新しい映画を開拓! 趣味が広がる!
シネコヤでは、毎月「今月の本」を店主がピックアップし、その本に関連した映画が上映される。
邦画もあれば洋画もある。コメディもあれば、ラブストーリーもある。同性愛や迫害、貧困がテーマの映画もあれば、ただただゆるーい映画もある。
好きなジャンルの映画を観るのはもちろん楽しいけど、新しいジャンルを開拓するのもおもしろい。シネコヤで放映される映画は店主さんに選び抜かれた映画たちばかりで、Twitterを見る限り、映画を選ぶだけでも相当な労力がかかっているよう……ありがたい。
今はNetFlixやHuluなどで映画はいつでも観られるけど、家にいるとついつい一時停止して集中が途切れがちだし、映画館で観るのとはやはり全然違うなと感じる。
2020年頃までは、私みたいな常連のために、「年間パスポート」(15,000円)というものがあって、映画が1年間見放題だった。(もうなくなったみたい)
1ヶ月に約4本の映画が上映されるので、全ての映画を観ると、1年で50本くらいは観ることができる。(ちなみに私は昨年29本観ました)
あまりのお得さに、9月に藤沢を去ることが決まっていたけど、その年の4月に年パスを更新したほど。半年でも元は十分取れたと思っています。
映画館を応援しよう!
シネコヤは、映画だけじゃなくて、店員さんもおもしろい。
パンもおいしい。
アイスティーだけじゃなくて、ハニーミルクも好き。
2階のトイレの内装もかわいい。
『放課後ソーダ日和』がやっていたときは、店主さんが近所の喫茶店をまわってクリームソーダを食べるというのをやっていたので、私はそれを追いかけてあちこち行っていました。
藤沢に住んでいた頃の私は、生活圏内にシネコヤがあってすごくラッキーだと思う。
ふらっと寄って、アイスティー飲んで、映画を観て帰るという幸せ。(海岸を散歩して、また戻るというのもあり)
コロナでいろんな映画館が難しい状況に置かれているけど、 シネコヤは絶対に頑張ってほしいです。そして応援する!