今日のこと。

ほとんど今日のことではありません。

目指せ!タイマッサージ師

たまに夫が「ちょっと肩揉んでくれる?」とか、「腰のあたりマッサージしてくれる?」と言ってくるのだが、いかんせんどのようにマッサージすれば良いのか分からない。

 

しかし、ここはタイ。かの有名な、タイ古式マッサージ発祥の地ではあるまいか。

 

しかも、タイ古式マッサージの総本山といわれる「ワット・ポー」には、マッサージスクールが併設されている。さらに、我が家の近所には「ワット・ポー マッサージスクール」の支店がある。

 

これは、通うしかない。

 

そういうわけで、夫に「マッサージ習いに行っても良いかな?」と聞くと、快く授業料を振り込んでくれた。その額、20,000バーツ。日本円にして、約8万円でございます。

 

私は、年内に日本へ帰国するのだから、帰国後も家族にタイマッサージができたらみんな喜ぶかな? 程度に考えていたものの、8万という大金を振り込んだ夫は、「手に職をつけたら食いっぱぐれない。起業するつもりで!」と言い、スタンスの違いにたじろいだ。しかし、8万だ。そのくらいの本気を問われてもおかしくない。

 

私は起業する気など毛頭ないが、「しっかり学んできます」というやる気だけは見せた。

 

ワット・ポーの涅槃像

 

ワット・ポーマッサージスクールのスクンビット支店には日本人スタッフが常駐しており、申し込みや予約のやりとりは日本語で可能。初日の予約を入れ、やや緊張しながら教室へ入ると、生徒の数は思ったよりも多かった。

 

聞くと、その日の生徒たちは皆、日本でマッサージを本業としている人で、本場タイへタイマッサージを学びに6泊7日で来ているらしい。基礎コースは最短5日で修了できるので、毎日午前・午後と1日中学んでいるのだとか。

 

午前3時間、午後3時間。計6時間を5日間。

合計30時間受講すると、基礎コースは修了する。

 

毎日受ければ、5日間。しかし、やってみるとマッサージとは意外と体力を消耗するもので、私は毎回午前、もしくは午後のみ受講している。

 

在住者としては「いつでも行ける」という気持ちがあるので、来週、また来週と延ばし延ばしになり、いざ行けるとなると、どういうわけか息子が熱を出す。

 

そういうわけで、私は2023年5月に通い始めたにもかかわらず、修了するまでに7ヶ月を要した。いったい、何人もの卒業生を見送っただろう…。

 

基礎コースの受講には、1年間という期限がある。しかし、日本への帰国が正式に決まり、「このままでは間に合わないかも!」と大慌てで通いつめることに。帰国までに修了できて本当によかった! なんてったって、8万円なのだから。

 



授業の内容はというと、先生は日本語で教えてくれ、テキストも日本語なので分かりやすい。その日参加している人とペアになり、交代しながら実践でマッサージを学んでいく。

 

男性の先生が1人と、女性の先生が2人。

3人とも仲が良さそうで微笑ましい。

 

短期集中で通うと毎日顔を合わせるので、生徒同士もどんどん仲良くなる。

私はそれまでたまにしか通っていなかったので、いつも「はじめまして」だったのだが、真面目に通うようになってからは、生徒同士、少しばかり言葉を交わせるようになった。

 

そのうちのひとりは男性で、いつも同じ男性とペアを組んでいる。男性ふたりがマッサージを習っているわけだが、どう見てもプロセス技のかけ合いだ。

 

しかも、本来ならば、仰向け→横向き→うつ伏せ→安座と、決まったポーズと決まった手順で進めなければならないところ、「五十肩だから」という理由で、いくつもの手順をパスしていた。

どうやらマッサージが本業ではないらしい(これはひと目で分かったことだが)。

 

ならば在住者であろう。

 

しかし、その男性とロッカーの前で話していると、「来週、日本に帰るんですよ」と言うではないか。

 

いよいよ、「なぜ?」が頭の中を埋め尽くしたところで、「なんでタイマッサージを習いに来たんですか」と聞くと、彼は「飲みのネタっす」と笑いながら軽やかに答えた。

 

ああ、なんて楽しい人生なのだろう。

 

技をかけ合いながら、「痛いからパスで」と言い、時には真剣に、時にはケラケラ笑いながら学ぶ彼らを見て、私は何か大事なものを学んだ、気がした。

 

多分違う。

 

 

対岸から見るワット・アルン



 

 

掴みかけた「成功」という「幻想」

よそのうちの子どもを見ると、「え!こんなこと、もうひとりでできるの?」と驚くことが多い。

 

我が家は、成田先生の「早寝、早起き、しっかり朝ごはん」と、はなまる学習塾の「母親の機嫌がいいこと」。この2つを子育ての指針にしていて、あとはまだ手をつけられていません。

 

ただ、息子が2歳半の今、これは「なぜかできるな」と思うことが2つある。

 

1つ目は、転んだときに自分で立ち上がり、すぐに泣き止むこと。

 

これは小さい時から、転んでも放っておいたら、自然と自分で立ち上がるようになった。痛かったら泣くのだが、「どこが痛いの?」「どこで打ったの?」などと、痛い部位と当たった箇所を毎回確認するようにしたら、「ここで転んで、ここを打った。ここが痛い」などと、説明してくれるようになった。

このやりとりが良いのは、説明する時点で泣きやんでくれることと、転んだ瞬間を見ていなくても、転んだ様子を説明してくれるので状況が理解できること。

 

最近では、転んだ様子を劇のように再現してくれるので、より分かりやすい。

 

2つ目は、靴を自分で並べること。

ある日、私が靴を並べる様子を見て、息子も真似して並べたので褒めた。そして、次の日から私は靴を脱いだらサッサと隠れるようになった。

 

息子は時間をかけてひとりで靴を脱ぎ、調子がいいときには、何も言わずとも靴を並べた。

 

息子が自分で靴を並べた時は、並んだ靴を見て、私は大げさに驚いてみせた。

 

すると、最近は毎回靴を並べて、私に「ジャジャーン」と見せてくれるようになった。

 

そういうわけで、「驚いてみることをオススメします!」と言いたいが、お片付けができたときに大げさに驚いてみてもすぐに散らかすし、おトイレできたときに大げさに驚いてみてもおもらしするし、お野菜食べたときに大げさに驚いてみてもフライドポテトだけ食べてあとは残すし、ズボンを穿けた時に大げさに驚いてみてもすぐにオムツまで脱ぐのよね。

 

 

なんで?(白目)

 

▼成田先生の「早寝、早起き、朝ごはん」はここから。

 

 

鳩の親にはなれませぬ

ずっと見て見ぬふりをしていたが、やはり、うちのベランダには鳩が巣をつくっていた。しかも、卵を2つうんでいる。

 

それが分かったのは、エアコンの清掃をお願いした時。私が住んでいるバンコクのコンドミニアムは、オーナーが半年に一度エアコンを清掃するようにというルールを設けている。(費用はオーナーもち)

 

そこで、業者さんにお願いして清掃してもらったところ、男性スタッフのひとりが私にスマホを差し出した。見ると、卵が巣に2つ並んだ写真だった。

 

私は「これは、どうしたら良いですか」と聞くと、「このコンドミニアムのスタッフに言ってみて」と言われたので、すぐに2階へおりて、スタッフに事情を説明した。

 

スタッフはすぐにその場で指示を出してくれたが、私はなかなかタイ語を理解できなかったので、ひとまず部屋に来てくれることになった。

 

部屋へ来ると、今度は清掃のスタッフが、先ほどの写真をコンドミニアムのスタッフに見せ、私の代わりに事情を説明してくれた。

 

事情を理解したコンドミニアムのスタッフは、私にタイ語で今後の対応を説明してくれた。しかし、私は理解できないので、iPhoneの翻訳機能をつかうことに。

 

まずは「卵が2つあります。今駆除してしまうと、雛は死んでしまうので、生まれて巣立つまで待ちましょう」と言われた。

 

続けて、「巣立ったら、また私が来て清掃します」とのこと。

 

「では、私は(定期的に、巣立ったかどうか)鳩の雛を見ておいたら良いですか」と質問すると、「いえ、その必要はありません。雛は母親に見てもらいましょう」と言われた。

 

ああ、やはりGoogle翻訳では伝わらないこともまだまだあるなと思いながら、私は「そうですね。母親に見てもらいましょう」と言った。

 

まもなく帰国に伴い引っ越すのだが、とんでもない置き土産をつくってしまった。

 

人間にとって、「立つ鳥跡を濁さず」とは難しい。我が家の鳩さんたちには、できるだけきれいに巣立ってほしいものです。

はじめての彼氏のこと

大学1年生の夏だっただろうか。初めて付き合った人から、突然メールがきた。彼は同じ中学で、同じ塾に通い、別の高校に進学した。中学卒業後に付き合いはじめ、高校1年生の途中で別れたと記憶している。

 

久しぶりだったので何かと思えば、高校で使っていた学生カバンを譲ってくれないかということだった。聞くと、通っている教習所の先生の娘さんが、今度学校でカバンチェックを受けるらしい。しかし、娘さんのカバンはぺたんこに潰してあるので、検査に通らないだろう。それでは困るので、潰していないカバンが必要とのこと。

 

私はクローゼットから学生カバンを取り出した。高校3年間、ほとんど毎日使っていたのに、新品同様にきれいなまま。このカバンに思い出はない。悲しいけれど、全くない。譲ろう。というわけで、元彼の教習所の先生の娘、という一切接点のないお嬢さんにお譲りしたのです。

 

私のカバン、本当にきれいだったのよ。真面目な学生だったので潰していなかったから。彼は、「潰れていないカバン」と言われて、私を思い出したのでしょうね。なんとも言えない気持ち。

 

時は経ち、大学2年の夏。

そろそろ免許をとろうと思ったところで、カバンの先生の教習所を思い出した。そこは自動車学校とは違い、先生は運転の仕方を教えてはくれるものの、試験は運転免許試験場で受けなければならないとのこと。しかし、金額は自動車学校に通う半分ほどで済むというので、再び元彼に連絡し、先生を紹介してもらいました。

 

そこから私は、カバンの先生のもとで運転を学び、仮免に3回落ち、本免は2回落ちた。なんと、学科も1回落ちた。運転免許試験場でのテストは、隣に警察官が乗るので緊張するのよね。学科の授業もないので、本を買って自分で勉強しなければなりません。

 

「仮免に3回落ちた」というと、自動車学校に通っていた友人にとても驚かれる。「落ちたので、駅のホームで泣いた」なんて言っても、誰も共感なんかしてくれない。だけど、運転免許試験場でのテストというのは、だいたい何度か落ちるものなのです。

 

なので、ようやく合格した時には、これまた泣いて喜びました。もう朝早くから並んで試験料を払わなくて良いんだという安堵だったのかもしれない。

 

先生からは、「合格おめでとう。そして、カバンをありがとう」と、お礼にキーホルダーを頂きました。

 

元彼ですが、お互い若く、初めての彼氏で恥ずかしかったこともあり、付き合っている期間中、一度しかデートをしてない。JRに乗って、映画を見に行ったっけ。だから、別れた後の方が、結局多く会っていた。多くと言っても、カバンを渡した時と、同窓会の2回。でも、「2回」は「1回」より多いでしょう。

 

 

ラオスには、親切なタイ人がいるのです

2019年からタイで暮らし始め、里帰り出産の期間を除くと、タイ生活も3年になろうとしている。あっという間と言いたいが、実際のところ「それなり」だ。ほとんどの期間が、コロナだった。

 

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今年の夏、年内に本帰国することが決まった。タイにいる間にやりたいことをリスト化したら、約30項目のリストができた。そのひとつが、ラオス・ルアンパバーンへの家族旅行だ。

 

ルアンパバーンは、日本からの直行便が出ていない。そのため、バンコクやハノイで乗り継ぐ必要がある。「アジア最後の秘境」と言われ、欧米人のあいだでは人気の観光地らしい。まち全体が、世界遺産になっている。

 

これは、タイにいるうちにぜひとも訪れたい! 

 

というわけで、先日、2泊3日でルアンパバーンへ行ってきた。

ルアンパバーンといえば、そこかしこにお寺があり、まち中をオレンジの袈裟を着た僧侶が歩いている、仏教のまち。夕方になると、僧侶がお寺の鐘をリズミカルに鳴らし、それがなんとも心地いい。

 

毎朝5時半頃から「托鉢」が行われていることも有名だ。「托鉢」というのは、僧侶がまちを歩き、人々から食料や現金などのお布施を受けること。修行のひとつらしい。私は息子を夫に任せ、ひとり早起きして托鉢を見に行った。

 

毎朝日が昇る前から「托鉢」は行われている

 

事前にルアンパバーンのウェブサイトを見たところ、仏教や僧侶、それを信仰する人々へのリスペクトがあれば、観光客でも托鉢に参加して良いとのこと。通りには、観光客向けの托鉢セットが販売されている。参加しようとは思っていなかったが、大通りへ出たところで托鉢セットの売り子さんにつかまり、あれよあれよという間に購入。1セット、100バーツ(約400円)。

 

セットの内容は、カオ・ニャオと言われるもち米がたっぷり入ったカゴと、個包装のお菓子が15個くらい入ったバスケット。それからペットボトルの水と、肩からかける長い布。

 

もち米は手で掴んで「鉢」に入れる

お金を払ったら、セットに入っている布を肩からぐるぐる巻かれ、通りに敷かれたゴザに、靴を脱いで座るよう言われた。

 

ゴザの上にはすでに4人組の女性たちが座っている。「サバイディー」とラオスの言葉で挨拶すると、「こっちへ座りなさい」とタイ語で話しかけられた。観光に来たタイ人らしい。タイもラオスと同じ上座部仏教の国なので、托鉢は、観光の一環ではないのだろう。私がどうしたものかとまごついているのを見かねて、手取り足取り、やり方を教えてくれた。

 

お姉さまいわく、托鉢する際は、僧侶より低い位置で行わなければいけない。そのため、正座かお姉さん座りか、椅子に座る必要がある。あとで地元の人が托鉢しているのを見たら、みんな托鉢用の「マイ折りたたみ椅子」を持っていた。

 

そして、僧侶と目を合わせてはいけない。僧侶は女性に触れてはいけないと決まっているので、身体はもちろん、僧侶が持つ「鉢」にも触れてはいけないらしい。

 

いよいよ僧侶がむこうの方からやってくると、みんなもち米やチョコレートバーのバスケットを頭に掲げてお祈りを始めた。私も見よう見まねでお祈りをする。何を言えば良いのか分からないので、今健康であることに感謝して、これからの暮らしをどうぞ見守っていてくださいと祈ってみた。

 

お祈りするタイ人のお姉さま

 

そして、列になってやってくる僧侶に、ひと掴みのもち米とチョコレートバー1袋を一緒くたにして「鉢」に入れる。現金だけは、別のお皿のような容器の上に置くのがルールらしい。何もかも一緒に入れた「鉢」のなかで、もち米はどんなふうになっているのだろうか。

 

次から次に僧侶がやってくるので、こちらも次から次に入れていく。僧侶は寺ごとにグループをつくってやってくるらしい。年長者を先頭に、ひとグループ10人くらい。最後尾に並ぶのは、小学校低学年くらいの若い僧侶だ(若い彼らを僧侶と呼ぶのかは分からない)。

 

2グループの僧侶たちへの托鉢が終わると、手持ちのもち米とチョコレートバーがなくなった。この日の托鉢は、ここで終了。

最後に、ペットボトルの水をその辺に生えている植木にかけた。「命に感謝して水をかけて」と、お姉さまが教えてくれなければ、私はその水を持ち帰っていただろう。「私が飲む用かと思いました」と言うと、お姉さんは「マイチャーイ(んなわけあるかーい!)」と言った。

 

托鉢している途中、観光客が地元の人に「これはなんのフェスティバルですか」と聞いていた。地元の人は「これは『タンブン』といって、毎朝やっているのよ」と答えた。観光客は「毎日?」と驚き、写真や動画を撮っていた。

 

プーシーの丘から見た街並み

 

その日の夕方、ルアンパバーンの観光名所である「プーシーの丘」をのぼり、丘の上からまちを見下ろした。ルアンパバーンには、本当にたくさんの寺院がある。そして、茶色く濁ったメコン川がゆったりと流れている。

 

そのメコン川を、大小さまざまな舟が行き交っているのだが、エンジンをつけずに川の流れに任せて漂っている舟があり、息子はその舟を指差して「うごかないね」と言った。私は、「ゆっくり動いているよ」と言ったけど、息子はキョトンとした顔で、もう一度「動かないね」と言った。

 

雄大なメコン川をボートが行き交う

 

プーシーの丘をおりる途中、音楽のような声が聞こえてきた。それは僧侶たちの読経で、小屋のような建物から漏れていた。

 

夕方の鐘の音も、早朝の托鉢も、夕暮れ時の読経も、きっと毎日欠かさず行われているのだろう。

 

私たちのような観光客にはそれが物珍しく、フェスティバルのように感じる。でも、私たちが写真や動画に切り取ったのはほんの一瞬で、実際には毎日毎日繰り返されている一部に過ぎない。

 

観光客が来なくとも、誰に見られていなくとも、繰り返されるひとつひとつが、その土地の文化であり、歴史になっているのだなと思った。

 

帰りの飛行機で、村上春樹の『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んだら、村上春樹も「托鉢」を体験していた。村上春樹と同じ体験をしたのだと思うと、心なしか満足度が上がる。

 

 

最近は、旅のエッセイや旅行記、海外在住者によるエッセイ漫画を読むことが多い。

 

沢木耕太郎と斎藤工のポッドキャストもおもしろかった!

特別対談・斎藤工×沢木耕太郎:Apple Podcast内の前編~特別対談・斎藤工×沢木耕太郎

 

沢木耕太郎さんのハワイの過ごし方が、とても良かったです。

ハワイにもいつか、行ってみたい。

 

 

どこから情報は漏れたのだ

私が通っていた高校は、2006年当時で、携帯の「所持」が校則で禁止されていた。他の学校は、ほとんどが、所持は良いが学校に持ってくることはダメだったはず。とはいえ、私たちだってみんなこっそり持っていた。

 

高校3年の夏。体育祭の後、クラスメイト10人くらいでようこの家に泊まりに行こうということになった。ようこの実家、広いんです。

 

そんな計画をたてていたら、「体育祭の日は外泊禁止」だと先生が言いだした。タバコや酒などの悪い行いは、学祭や体育祭の後によくあることなのだそう。誰がそんなことするものですか。先生、私たちは皆、スカートの丈がスネまであろうかというほど真面目ですぞ。

 

というわけで、私たちは、中止することなく計画実行したのです。

 

ようこの家は、学校から少し離れているので、各自親に車で送ってもらわなければいけない。でも、初めて行くので、場所が分かりづらい。では、近くの市民体育館に集合してはどうだろう。

 

市民体育館へ集まって、ようこのお母さんが、体育館と自宅を往復し、ピストン送迎してくれることになりました。

 

体育祭が終わり、「じゃあ、体育館でね〜。またね〜」と学校で分かれ、各自家でご飯を食べて風呂に入り、あとは寝るだけ。ようこのお母さまには迷惑かけませんというスタイルで、意気揚々と体育館に向かうと、なんとようこのお母さんが待っているはずの駐車場に、先生たちがいるではないか。

 

なぜ、私たちの待ち合わせ場所をピンポイントで知っているのだ!「じゃあ、体育館でね〜。またね〜」を聞かれていたのか?

 

私たちは、蜘蛛の子を散らすように、おもいおもいに走り出し、館内や屋外の女子トイレの個室に隠れたのです。

 

しかし、全員が一斉に隠れたのだから、誰も外の様子が分からない。まだ外に先生がいるのかどうか。いるのなら出ていけないが、出なければいるのかどうか分からない。手元の携帯を見ると、同じように体育館のどこかの個室に隠れている友人から、「怖い怖い怖い怖い怖い怖い」というメールが届いていた。そのメールが一番怖かった。

 

私はトイレの壁を見つめ、必死に見つかった時の言い訳を考えていた。体育館ではママさんバレーの練習が行われていたので、その中の適当な人を家族や知り合いだと言って、練習についてきたと言おうか。

 

そのような言い訳をあれこれ考えていた時、個室のドアがノックされ、「もう外は誰もいないよ」という声がした。私は、これはトラップなのではと疑い無反応をきめこんでいたが、間違いなく友人の声だと分かり、外へ出た。終戦後も20年以上ジャングルに潜伏した、横井庄一さんの気分だった。

 

そして私たちは、ようこの家でワイワイやった。

確かアルコールはその場になかったが、テンションは確実にシラフのそれではなかったので、記憶力に定評のある私でもさすがに覚えておりません。

 

これだから、体育祭の後は集まってはならぬのだ。

 

関係ないが、ユニクロとジブリのコラボバッグ。可愛い。



 

美容師さん曰く

夏といっても、タイは年中夏のようなものなのだけど、9月に大学時代の友人が遊びに来てくれて、夏の思い出ができました。

 

会うのはいつぶりだろうか。1年ぶりくらいかな。あまり久しぶりという感じでもないので、会っても、近況などはいつも通り割愛です。

 

最近の推しやオススメの家具・家電、それから彼女は交換留学でチェンマイ大学に通っていた経験があるので、お互いが感じるタイあるあるなどを楽しく語り合いました。

 

そもそも彼女がなぜこのタイミングで来てくれたかというと、わたくしの本帰国が決まったからで、11月頃には日本へ帰ります。

 

引っ越しやら保活やら、大変だよね。でも、何から手をつければ良いのか分からず、今のところノータッチ。時間ばかりが過ぎています。大丈夫かな。

 

帰ったら、きっといろんな人からタイのことを聞かれるだろうと思ったので、その回答を今から準備しておいた方が良いだろう。そういうわけで、エラワンミュージアムなどを観光しながら、友人と一緒に、「タイあるある」を思い返してみたわけです。

 

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(↑こちらはエラワンミュージアム。え、どこ?というような、あまりメジャーではない観光地ですが、友人は帰国する前に「エラワンミュージアム、1番楽しかったかも…」と言っていました。私もすごく楽しかった! とはいえ、初めてタイに来る方は、ワット・ポーなど、もっと有名な観光地に行かれた方が良いと思います)

 

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話は戻り、タイ生活を振り返っての質問にどう答えるかという話ですが、これってとても難しいのよね。慣れてしまったので。

 

それで先日、自分の感覚を信用できないのなら、誰か他の人に聞いてみようと思い、いつも行っている美容室のオーナーさんに「タイってどんな感じですか」と聞いてみました。彼はタイ人女性と結婚していて、かつ、日頃からタイ人スタッフと働いているので、タイ、特にタイ人について私よりも詳しいのです。

 

美容師さんいわく、タイ人女性は気が強い。怒ると怖い。夫婦喧嘩をすると、飼っているお魚ちゃんの水槽に「洗剤入れるぞ!」と脅されるので、必ずこちらが降参しなければいけないのだそう。弱み、握られていますねえ。あまりに怖いので、絶対に、絶対に、不倫なんてしないし、しようとも思わないし、絶対、絶対、したら殺されると言っていました。そのくらいビビってくれたら、奥さん、ある意味安心かもね。

 

そして、後先考えない。これは主に金銭面のことだけど、給料が入ったらすぐに使っちゃう。給料日前にお金がなくて大変!となるので、給料日を月に2回に分けているのだそう。月2に分けることで、飛ぶスタッフも減るんだって。「まとめて1ヶ月分を渡すと、給料日翌日に飛んでしまうけど、2回に分けることで飛ぶタイミングが掴みづらくなるんですよね」と笑いながら説明してくれて、ああ、苦労されてるなと、その笑顔に胸が苦しくなりました。

 

美容師さん、大変大変と言いながらも、全部笑い話に変えていて、こういうたくましい方が海外で生き残ってゆくのだなと実感。

 

スタッフは女性が多いので、ちょっとしたことですぐに喧嘩が始まって大変。バックヤードで殴り合いの喧嘩が始まるので、お客さんに「少々お待ちください」と笑顔で伝えて、喧嘩を仲裁し、何事もなかったかのように戻ったことも少なくないと言っていました。

 

ちなみに、「営業時間に、店内で喧嘩するのはやめよう」とたしなめたところ、彼女たちは営業時間後に店の近くのショッピングモールで決闘の続きを再開していたそうで、美容師さんはその様子ををたまたま見て驚いたと言っていました。スタッフさんたち、一応オーナーの言いつけは守るのね。営業時間外、店の外。問題ないでしょう。

 

あとは、タイの道路ってすぐに冠水しますよね。雨が降ると水路が溢れます。大雨になると道路が川になり、そこをビュンビュン車が走るので、乗っているとスプラッシュマウンテンか?と思うほど。一度や二度ならアトラクション的な楽しさもあるでしょうが、それが日常となると話は別で。

 

私が通っている美容室は2階にあるのだけど、大雨が降ると、建物の前の通りはお尻の高さくらいまで冠水するのだそう。階段を降りて、門のあたりで「パンツが濡れちゃう」らしいです。それで、最近はゴムボートの購入を検討中だとかで、雨の日に、ゴムボートを漕いで帰る美容師さんたちを想像すると、やはりタイの日常はハードモードだなと思いました。ちなみに、我が家はそこまで冠水しないエリアなので、今のところパンツは無事です。冠水すると、地下に暮らす虫やら動物やらが地上に出てくるので、それが一番嫌だと言っていました。美容室の目の前を、ヘビがスーッと泳いでいくのを見ると、「帰りたくないな」と思うらしい。その気持ちはわかります。

 

あとは、「タンブン」という文化について。上座部仏教の教えが根付いているタイでは、「徳を積む」というのが大切な行動指針のひとつなのです。が、美容師さんいわく、タイ人の奥さんは、寄付など何か良い行い(=徳を積む行為)をすると、すぐにその足で宝くじを買いに行くらしい。

 

徳を積む、とは? 私たちの理解では、死んだ後に極楽浄土に行くために良い行いをしましょうというイメージなのですが、意外と短期でリターンを求めがちなのかもね。おもしろい。

 

タイでは、魚を川に放流して自由にしてあげるというタンブンがあるけれど、あれだって、魚にとってみたら捕まえられたり放たれたり、きっとまたどこかで捕まえられることもあるでしょうに、人間の都合であっちこっち連れて行かれて大変ではないか? けれど、それもまたおもしろいなと思います。

 

そういうわけで、美容師さんに聞いたおもしろタイ話を書き留めてみました。次は、私が感じたタイあるあるも、少し整理してから書いてみます。

 

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ちなみに、友人とのタイ観光は最高に楽しみました。後半、息子が発熱してお供できなかったのだけど、念願のタイフルーツパフェも食べられたし、大満足。


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これはびっくり。

タイでカトーン(フルーツ)を食べる予定がある方は、どうか気を付けてください。