カナダの首都・オタワで、「Vincent van Gogh(ゴッホ)展」が開催されていた。たまたま見つけた私は、誰の展示とも知らず建物に入ると、長蛇の列。せっかくなら観ていこうとチケットを買ったのだが、「Vincent van Gogh」←これが読めなかったので、誰か分からないまま入場した。
1枚目の絵を観た時点で、ゴッホ展だと気づくべきであった。今なら気づく。ただ、そのときの私は“Gogh”の読み方を「ゴシュ」と信じて疑わなかったので(美術の教養だけでなく、英語力にも問題あり)、「ゴシュさん、めっちゃいい絵描くやん!」くらいに思っていた。
ひまわりの絵や自画像も、もちろん観た。
それでも、私の頭はゴシュの作品ということになっていたので、「ひまわり、めっちゃいっぱい描くやん!」くらいにしか思っていなかった。
自画像が飾ってある部屋の隣には、いちごの絵が飾られていた。それは背景がミントグリーンみたいな淡い緑で、いちごがとっても美味しそう。全部の絵のなかで、1番好きだった。(小さいときの夢が「いちご屋さん」というくらい、いちごが好きというのもある)
出口を抜けたところにある小さなショップで、いちごの絵が描かれたポストカードを探したが、残念ながらなかった。代わりに2番目に好きだと思った「アイリス」のiPhoneケースを購入した。ほんっとうに可愛かった。iPhoneの大きさが4のままなら、今だって使いたいくらい。
とにかく、ゴシュさんは私のなかでランク急上昇。ホテルに戻ると、早速「Vincent van Gogh」を検索した。
画家でもミュージシャンでもレストランでも、オススメを紹介してもらうのも嬉しいが、自分でたまたま見つけるというのはもっと嬉しい。このときの自分は、誰よりも先にゴシュを見つけたという感覚だった。
しかし、Googleで表示されたのはまさかの「ゴッホ」。めちゃめちゃ知ってる。めちゃめちゃ有名。めちゃめちゃ習った。
アーティスト・ゴシュ発掘の夢は、やはり叶わなかった。
画面に「ゴッホ」と表示されたときの驚きを忘れない。もうちょっと勉強しようと、心に決めた。