今日のこと。

ほとんど今日のことではありません。

ageHaへの道のり①

今から2年前。

ちょうど私が長崎から神奈川へ引っ越してきた頃、その3年前に就職で長崎から一足先に上京した大学の友人が、九州へのUターン転職を検討していた。

 

働き始めて3年というのは、転職を考え始める時期なのだろう。せっかくすぐに会える距離に引っ越してきたというのに、また離れてしまうなんて……そう思いながら、彼女が九州へ戻るまでの時間、「東京でしかできないことをやり尽くそう」をテーマに、一緒にいろいろなところへ行った。

 

ここからは、田舎の小娘の話だということを忘れずに読んでほしい。

 

まず、有名人を見たいと思った。

お金をかけずに正規のルートで有名人を見ることができる方法がある。

 

そう、番組観覧だ。

 

数ある番組のなかから申し込んだのは、「ダウンタウンDX」。ゲストが多いので、誰か1人くらいは知っている人や好きな人がいるだろう。ゲストが誰なのかは、当日登場するまでわからない。

他にもいろいろなバラエティ番組で番組観覧を募集していたが、たった1人のゲストがハズレだったら(こんなこと言っちゃいけないんだろうけど)嫌だなと思ったのだ。

 

観覧するためにはウェブサイトから申し込むのだが、忘れた頃に「来週収録するんですけど、来られますか?」と電話がある。急いで友人に連絡すると、「有給とるから大丈夫」とのこと。(想定内)

そうして私たち2人は、東京っぽい体験の一歩を踏み出した。

 

観覧当日、雨のなかスタジオへ到着すると、2列に並ばされた。男性スタッフが私たちを10人ずつに分け、それぞれのグループに「オーバーリアクションでお願いします」とか「笑うときは、手を叩きましょう」とレクチャーを開始。「えー!」や「へ〜」の練習もあった。

 

私と友人は「恥ずかしいな」と思ったのだが、まわりの大勢がしっかり「えー!」や「へ〜」をやるので、言われるがまま無心で「えー!」「へ〜」を繰り返した。

 

次にトイレを済ませるよう言われ、2列のままトイレへ案内された。自分がトイレに行きたいか行きたくないかも考えずに、順番がきたところでトイレへ入る。

個室から出ると、鏡の前で観覧に来た女性の1人が座り込み、泣いていた。この短時間で(しかもトイレで)何があったんだろう……東京っぽいなと思った。

 

トイレから出て、列に戻る。

そのまま2列でスタジオへ連れて行かれた。泣いていた彼女が列に戻ったかは分からない。

 

スタジオに入ると、前から2列目の席を案内された。宇宙人の格好をした芸人さん(ゲラゲラ星人という方)が現れて、前説スタート。その後、チョコレートが配られて「チョコレート食べて、ガンガン盛り上がっていこう!」と言われた。東京っぽいなと思った。

 

そして、収録開始。

 

舞台中央からダウンタウンの2人が登場すると、背後の観客勢が「キャー!」と拍手で迎える。

その後、左右の扉からゲストが登場。誰だろう? とわくわくしていたのだが、この日は「二世タレント特集」で、ほとんど知らない人だった。うぅ……残念。

 

トーク内容も、ほとんど聞いたことがある話。残念。

 

ただ、客席と舞台の間に立っている、見るからに偉そうな人(ディレクター?)が、私たち観覧客の誰よりも上手に大きな声で笑いながら拍手していたのがめちゃめちゃおもしろかった。この日1番、東京っぽいものを見たような気がした。

 

こうして、私たちの「東京でしかできないことをやり尽くそう」第一弾が終了。

 

ベテランの観覧先輩方が、大きな声で黄色い声を浴びせまくるなか、私たち2人は全く本番前の練習を発揮できず。ふがいない結果に終わったのだけど、「これも私たちらしいよね」と無理やり納得させたのです。

 

さあ、次は何をしよう?