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ほとんど今日のことではありません。

『妄想浪費』を読んで買ったもの

小山薫堂さんがForbes JAPANで連載されていた『妄想浪費』というコーナーが書籍化された。堀香織さんがこのコーナーを担当されていたこともあり、この2年半、毎月楽しみに欠かさず読んでいたので、書籍化は嬉しい!

 

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加筆・修正されているので、雑誌で読んだことのあるエピソードも新鮮な気持ちで楽しめます。

 

薫堂さんって、本当に面白い。

『妄想浪費』というタイトルですが、妄想にとどまっていないエピソードも書かれていて、薫堂さんだからできること(お金的にも、人脈的にも)もあるでしょうが、なんといってもアイディアが素晴らしいなと思うのです。

 

なかでも私が1番好きな章は、「バースデー・サプライズ」。

 

簡単に説明すると、薫堂さんが代表を務めるオレンジ・アンド・パートナーズの副社長がえらい目立ちたがりやで、派手な服装はやめろと言っても一向にやめない。

それならばいっそのこと調子にのせてしまおうということで、デザイナー役の外国人や一流カメラマンなどに協力してもらい、「副社長が(偽)ブランドのモデルに採用された」というドッキリを仕掛けることに!

 

デザイナー(もちろん仕掛け人)直々に「ぜひモデルになってくれ」と言われた副社長は、それはもうノリノリで、これまた薫堂さんが入念に用意したスタジオで、架空ブランド「CHALIE VICE(チャーリー・ヴァイス)」の撮影を実施した。

 

何も知らない副社長はキメキメで撮影に挑むのだが、そこに金髪のカツラを被り、CHALIE VICEのワッペンをつけた手作りスーツに身を包んだ薫堂さんが現れ、盛大にネタバラシ。スタジオ中が爆笑という話だ。

 

CHALIE VICE(チャーリー・ヴァイス)というブランド名、実は「チャラい副社長(CHALAI Vice President)」からきているというのも薫堂さんらしい。(骨折で入院した病室を「こっせつあん」という茶室に設るなど、他にもネーミングセンス抜群のエピソードも収録されています!)

 

さらに、この話には続きがあって、高島屋で働く知り合いにこのドッキリの一部始終を話したところ、本当にCHALIE VICEがアパレルブランドとして出店することになった。

この大人の遊びは一体、何!!!!?

 

めちゃくちゃ面白いお金の使い方ではないでしょうか。

そんな話がギュッとつまったのが、この本なのです。いやあ、面白い。

 

正直、書かれているエピソードはどれも薫堂さんだからできることで、かけるお金が桁違いなものも多くある。

でも、だからといってお金がなければ面白いことができないというわけではなく、要はアイディア次第なのだ。

 

私だったら、何ができるだろう?

 

まず思いついたのは、タイに単身赴任している夫のこと。生まれたばかりの我が子に会えないのはさぞ寂しかろうと、お宮参りの写真をラミネートして送った。

毎日写真や動画をLINEで送っているが、現像された写真であれば、財布に入れていつでも見ることができるだろう。

ついでに、色紙に手形と足形をとったものも送った。大きさは写真ではなかなか伝わらないものだ。

 

次に思いついたのは、シドニーでWOMENCANFLYを立ち上げたきみさんのこと。

先日、LUSHの入浴セットが届いたばかりで、何かお礼をしたいと考えていた。

日本食の詰め合わせも考えたが、インスタですでに他の友人からセンス抜群の日本食を受け取っている様子。

 

そこで、WOMENCANFLYのロゴが入ったレターセットをオリジナルで作ってみることにした。(薫堂さんの影響をストレートに受けるタイプ)

 

きみさんはシドニーがロックダウンに入ってから、手書きの手紙をいろんな人に送っていたらしい。そのうちの一人、イギリス出身の友人サムがその手紙に感動し、泣きながら手紙をSNSで紹介していた。

もちろん可愛いお花や季節のイベントに応じたカードでも良いが、WOMENCANFLYのロゴが入ったレターセットがあれば、仕事を通じて知り合った人やビジネスを応援してくれる人にも使えるだろう。

 

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他にも、お金をかけずとも会いに行くだけで喜んでくれる人がいる。電話をするとかや手紙書くことを喜んでくれる人もいる。

 

お茶の先生は、贈り物を送るよりお稽古に行く方が嬉しいらしい。お茶菓子こそ持参するが、それよりも「お茶を続けてくれることが嬉しい」と、いつも言っている。

 

こうして、何をしたら喜んでもらえるのかなと考える。プレゼントのセンスはないが、自分の中に薫堂さんをおろしてみると、良いアイディアが浮かぶ気がする。

 

『妄想浪費』を読むと、誰かに何かをしたくなります。ぜひ読んでみてください。

 

妄想浪費