今日のこと。

ほとんど今日のことではありません。

知らないおじさんに足首を掴まれた話

先日、通勤中の電車内で知らないおじさんに足首を掴まれた。びっくりエピソードなので、そのことを書こうと思う。

 

私は藤沢駅から鵠沼海岸駅まで、小田急江ノ島線をつかって出勤している。片道4分。座れなかったことはない。

 

その日、仕事が終わって鵠沼海岸駅のベンチで電車を待っていると、真っ黒に日焼けした50代後半(に見える)男性がやってきて、私の隣に腰かけた。

 

私は本を読んでいたけど、思わず顔を上げてしまうほど奇抜な格好をしたおじさん。

 

白髪のロン毛は内田裕也さながらで、麦わら帽子をかぶっている。短いズボンに足元はビーサン。でろんでろんのタンクトップは、すこしでもズレたら乳首が見えそうだ。

 

程なくして電車がやってきたので、乗り込んだ。いつも通り車内はガラガラ。

ガラガラなのに、おじさんが座ったのは、私のすぐ隣の席だった。

 

 

おじさんは、片手にコーヒーを持っていて、キョロキョロしている。なんだか危なっかしいなと思いながら、私はまた本を読み始めた。

 

事件が起きたのは、電車が駅を出発したときのこと。動き出す電車に揺られたおじさんの手から、コーヒーの紙コップが滑り落ちたのだ。

 

カップから流れ出たコーヒーは、私の足元にまでやってきた。細長く伸びるコーヒーが、床まで垂れる私のロングスカートに迫ろうとしたとき、汚してはなるまいと、おじさんは私の両足首を掴み、そのまま床と平行に持ち上げた。

 

おかげでスカートは無事だったけど、向かいに座る親子の目が点。私もとっさの出来事に驚き、状況を把握する頃には藤沢駅に着いていた。

 

おじさんは悪い人ではなかったけど、もう乳首が見えそうなタンクトップを着た人の隣には座らないようにしようと思った。